うぱ@エンジニアの日記

キラキラアメリカ生活

エンジニアの英語勉強法

英語はつらい。

 

アメリカに何年住んでも英語はよく分からないし、まったく勉強する気にならない。

こんな私なんですが、意識が低いなりにアメリカで就職するために英語を勉強しました。誰かの役に立つかもしれないので、自分なりの勉強法をまとめておきます。

 

まずは私の英語遍歴から(一般的な指標としてTOEICの点数を書いておく)

高校時代:英語ができないので理系にする。英語は捨てて数学と物理で勝負

大学1年生:初めてTOEICを受ける。470点とかだった気がする

学部卒業:就活とか院試とかあるので地道に勉強する。TOEICは680点とかだった気がする。

修士:将来のことを考えて細々と勉強する。TOEICは700点後半くらいだったかな?

博士:国際学会とか海外インターンに行くようになる。TOEICは900点くらいだった気がする

 

役に立った勉強法

  • そもそも英単語を知らなすぎるので、ひたすら単語を覚える
    • 日常生活でも単語さえ知ってればどうにかなるので単語力は大事
    • 学部生の間にこの単語帳を20周くらいやった
  • TOEIC公式問題集を満点近く取れるまでやりこむ
    • 答えを暗記しても意味がないとおもいきや、答えを暗記していくうちに単語とか文法もだいたい覚えてしまう
    • TOEICの点数も上がるので気分が良くなる
  • 発音記号の読み方を勉強する
    • これは本当にやって良かった
    • 子音をマスターするのは難しい気がするけど、母音だけでも練習するとそれっぽく聞こえるようになる
    • 携帯で自分の発音を録音して確認しながらやると良いよ
    • 自分の発音がそれっぽく聞こえると気分が良くなる
  • 国際学会の発表原稿を丸暗記する
    • 初心者が原稿なしで英語発表とか無理なのでまずは原稿を作る
    • 原稿を読みながら発表とかカッコ悪すぎるので丸暗記する
    • 20回くらい発表練習すれば、ほぼ完璧になるはず
    • google翻訳に原稿を入力すると英語で読み上げてくれるので、googleの発音を気合でコピーする
    • 気がついたらすらすら英語が話せるようになってる。あとは丸暗記した例文の単語を入れ替えれば質疑応答もどうにかなる
    • 原稿ガン読みの某ネサスのおじさんを横目にカッコよく発表をきめると気分が良くなる

 

役に立たなかったorやる気が出なかった勉強法

  • 細かい文法の話(前置詞とか)
    • そもそもやる気が出ない。文法できても誰もほめてくれない
    • エンジニアとして生きていくだけなら、文法はテキトーでもどうにかなる
    • 管理職とかの政治力が試される仕事になると、正しい英語力が必要な気がしなくもない(一番大事なのは声の大きさな気がするけど、、)
  • 英語で映画とかドラマを見る
    • 英語以前にそもそもアメリカ文化に興味がなさすぎる
  • シャドーイング
    • シャドーイングってすごく良いって聞くんだけど、何回かやってうまくできなかったからやる気がでない
    • 誰もほめてくれない

 

しょうもない英語サバイバルスキル

  • まずは中国人とか韓国人で英語を練習しよう
  • 否定疑問文(That is not fun?とか)はyes/noで質問に答えない
    • これは論理が反転するやつなので日本人には無理すぎる
    • 質問をそのまま反復すれば答えになる。That is not fun
  • 疑問形を作るのがめんどくさいときは語尾にright?を付ければ質問になる
    • This is a pen, right?
    • シンガポール人とか中国人がよくやる
    • 初期の頃はよくやっていたけど、なぜか最近はやらなくなってきた気がする
    • なんとなく粗野な感じがしなくもないけど、最初はとりあえず通じればなんでも良い
  • 相手に質問させるスキを与えない(特に対インド)
    • こちらから質問し続ければ、リスニングしなくていい
    • 自分の英語が通じるフィールド&トピックで戦おう
  •  聞き取れないときはちゃんと聞き返す
    • 最初のうちは半分以上分からなかったりして、聞き返すのすら苦痛すぎるんだけどよく分からずyesっていうより良い
    • そもそもエンジニア同士だと相手の英語がおかしいことがよくあるので、聞き返しても誰も気にしない(そもそも誰も話を聞いていない)
    • 私が聞き取れないような英語を話す相手の方が悪い
  • 自分の英語が通じないときは相手のせいにする
    • 私の英語を聞き取れないお前の修業が足りないんだ
    • とにかく大声で自信満々に話す
    • 自分はわるくない
  •  長い英語のメールを書かない
    • アメリカ人はメール読まない。長文を書くだけ無駄
  •  (スーパーとかで)よく分からない質問をされたらとりあえずNoっていう
    • 最悪ビニール袋を貰えないくらいで済む
    • Yesっていうと変なメンバーシップに入らされたりして、さらに英語を話さざるを得なくなる負のループ

System verilogでCPUの創りかたのTD4を実装してみる

やっぱり現代社会を生きる者としてRTLくらい書けないとヤバいなと思ったので、1カ月くらいかけてSystem Verilogを勉強した。誰かのために、ここに記録を残しておく。ちなみにこの記事の新規性はたぶんないと思います。(きっと車輪の再生産)

 

私のスペック

  • 半導体回路設計についてはまあまあ詳しいはず
  • RTLの原理は理解しているはず(デジタル回路の本は何冊か読んだことがある)
  • コンピュータアーキテクチャ初心者(パタヘネ本を3周くらいしただけ)
  • RTLを自分で書いたことはない

まとめ

  • 今さらVerilog HDLとか時代遅れな気がするので、System verilogでRTLを書いてみる
  • 無料界隈ではそれなりにメジャーらしいIcarus verilogというVerilog compiler & simulatorを使ってみる
  • Windows 10のノートPCにLinux環境を立ち上げて、Linux環境で作業する
  • CPUの創りかた」という本の4bit CPUをsystem verilogで実装する

Linux環境整備

まずはIcarus verilogが動く環境を作らないといけない。Windows版とLinux版があるんだけど、普段から使い慣れているLinux環境の方がストレスフリーだったのでLinux版で作業することにした。

ということで、WindowsマシンにLinux環境を作るところから始める。Linux環境の作り方は色々あるようなんだけど、Twitterのお兄さん達が教えてくれたWSLというやつをインストールしてみる。

WSLのインストールの仕方はテキトーにググってください。ちなみに私はWSL2(最新バージョンらしい)ってやつをインストールしました。Linuxは色々な種類があるんだけど、OS関係でハマりたくなかったので一番メジャーだと思われるUbuntuを選びました。

あとはX serverというやつがGUIアプリ(波形viewerとか)のために必要だったのでVcXsrvというやつをインストールした。詳細はテキトーにググってください。例えばこんな感じのサイトによくまとまっています。

www.atmarkit.co.jp

Ubuntuのインストールが終わったらIcarus verilogをインストールしてみる。Linux版のインストール方法はIcarus verilogのホームページに書いてありました。ちなみに

$ sudo apt-get install verilog

だとIcarus verilogの最新版(ver.11)が落ちてこなかったので、テキトーにググってver.11を手動でインストールした。ちなみにver.11以降でないとsystem verilogのalways_ffが使えないようです。

 

System verilogの勉強

そもそもRTLを書いたことがなかったので、何冊か教科書を読んでみた。

 

 そもそもSystem verilogVerilog HDLもほとんど変わらないので、Verilog HDLの教科書でVerilogの基本を勉強した。この本は日本語&薄い本なので1日もあれば1周できるはず。やる気があれば、この本に書いてあるコードを自分で書いてシミュレーションを回してみると良いと思う。

私はVerilogのプロになるつもりもなかったので、実際にコードを書いてみて分からなかったら参照するみたいな使い方をした。

  

 この本はそもそもコンピュータアーキテクチャの教科書なんだけど、コンピュータアーキテクチャの内容は微妙で(パタヘネ本の方が良かった)主にSystem Verilogチュートリアル本として使った。System VerilogVerilog HDLの違いがそれなりに良くまとまっている。

これらの教科書を読むだけだったら2日もあれば十分だと思う。

 

CPUの創りかた&TD4 

System verilogの勉強用の題材として、例の「CPUの創りかた」という教科書に書いてるTD4という4bit CPUを実装してみることにした。CPUのデザイン自体は非常に簡素だったので、ほとんどの時間はSystem verilogに慣れる&実装のデバッグに費やしたと思う。

以下にTD4の構成図を示す。(実はこの全体構成図が本にはまとまっていなかったので、実装するときにちょっとだけ苦労した。)

f:id:upa_engineering:20210706091600p:plain

TD4の全体構成図

実装するにあたって少し悩んだのがP241の'JNC Im'の真理値表の実装。P241にはxx1111って書いてあるんだけどC flagを実行後に必ず0にしたい(P240)なら111111にしないといけない気がする。実際の回路実装(P275)も111111になってるし。たとえば001111でレジスタAが1111だとほとんどの場合でC flagが1になる。ここは本の誤植だということにして111111で実装した。

 

以下に、完成版のソースコードをまとめておく。System Verilogを書くのは初めてなので色々とイケてないと思うが、将来の誰かのためにインターネットの海に放流しておきます。

github.com

 

作業量

せっかくなので、TD4が動くようになるまでにかかった時間をまとめておく

  • 始めてから終わるまで: 1カ月(環境設定1日&週に2時間くらいの開発ペース)
  • 真面目にやれば2-3日くらい?
  • 教科書読みも2-3日くらいあれば十分だと思うので、私みたいな初心者でも1週間もあれば問題なくこなせる感じでした

 

感想&まとめ

  • どうせなら論理合成からのP&Rまでやってテープアウト&実測するともっと理解が深まると思う
  • 初めてのRTLだったけど、慣れればそこまで大変ではないかなという感想だった。真面目にやるなら、あと2-3プロジェクトくらいこなすと良い感じになると思う。
  • RTLだとカウンタが2-3行くらいで記述できるのすごい

3社ほどインターンに行ってみた話

最近キラキラエンジニアを求められているみたいなので、たまには役に立つことを書いてみようかと思います。

 

キラキラエンジニアになる近道はやっぱりキラキラ学生生活からのキラキラインターン!というわけで、私が学生時代にやってみたインターンの思い出をまとめてみようかと思います。少し昔の話(2010年代前半)なのですが、誰かの役に立つと嬉しいです。特に産業界に近い研究をしている学生には参考になると思います。

 

そもそもインターンとは?

学生が企業で行う職業体験的なやつ。正式には「インターンシップ」って名前だった気がする。 

とりあえず、ここでは理系の学生が研究に関連したことを企業で3カ月とか半年くらいやるやつをインターンと定義しておきます。参加したことはないんですが、文系向けの1DAYインターンみたいな合コンイベントはインターンと呼んではいけません。

 

1社目(修士1年):某外資半導体メーカー(東京)

期間:3カ月くらい

給料:たしか月10-15万円くらい貰えた気がする

内容:製品開発のお手伝い

 

大学院に入って研究の真似事をしていたら、研究室の先生から某外資系企業(東京オフィス)からインターンの募集来てるんだけど、行きたい人いる?と言われて「行きたいです!」って言ったら面接もなし(電話面接はあったかもしれない。記憶がない)に行けることになってしまった事案。

行きたいと言った時点では会社の名前もほぼ知らなくて、「へー外資系かー。かっこよさそう」というそれだけの基準で決めてしまったんですが、実は私の分野ではトップレベルの技術力をもつスーパー企業だったのを知ったのはインターンを始めてからでした。

広い括りでいう同じ研究分野だったんだけど、研究を始めたばっかりでほぼ初心者だった私がいきなりとんでもないところに入ってしまった。草野球プレーヤーがなぜかプロ野球のキャンプに紛れ込んでしまったくらいの無理ゲーだった。

 

オフィス自体は外資系ということもあってまあまあ綺麗だった。(今思うと、よくある普通のオフィスである。一部の日系メーカーのオフィスが古すぎるのが悪い。)L字型の机&パーティションで区切られていて、作業スペース的にもプライバシー的にも仕事に集中しやすい感じだった記憶がある。(今思うと、これがエンジニアの最低限度の職場環境である。長机とか非人道的すぎるよね。)あと、IEEEの論文が読み放題だった。

ちなみにタダで飲み物が飲めて最高だなと思ったくらい当時は社会を知らなかった。

  

与えられた課題は、既存の製品設計の問題点を分析して解決策or改良案を提案すること。

最初の2週間はほぼ勉強&理解することに費やして、残りの2カ月くらいで仕上げるみたいな感じだった。ほぼ初心者から始めたので、最初の2週間は毎日がつらかった。

毎日レッドブル飲みながら頑張ってみると1カ月くらいで勘が掴めてきて、最終的には(自分としては)それなりに形になってきた記憶がある。当初の課題自体は2カ月くらいで終わって、最後に新しいトポロジーを提案することができた。

これが良いアイディアかどうかは別にして、3カ月くらい本気でやるとそれなりに新しいことができるんだなと理解できたのはとても良かった。この経験はこの後研究をやる上でとても役に立った気がする。

 

このインターンで学んだことを一つだけ挙げるとすると博士を取るメリットを学べたことかな。それまでD進とか考えたことなかったんだけど、研究とか博士を取ることが就職とか初任給に効いてくることを学んだ。例えば、

  • ほぼ新卒採用していない会社(外資系だと多いのかも)でも、博士だと新卒で潜り込めたりする
  • IEEEとかのトップジャーナルとかトップカンファレンスに通してる学生は企業にも結構認知される
  • 博士を取って入社すると初任給1000万円前後という噂(これは2010年代の話なので、今はもっと高いのかもしれません)

それまで博士取っても就職が困るよねって思っていたので、D進した方が就職が有利になるということを知れたのはとても有意義だったと思います。あと、メンターの方が博士持ちで色々と博士を取ることのメリットを教えてくれたので、研究に対するモチベーションもかなり上がった良いインターンだった。

ちなみにアメリカ系の企業ということもあって、アメリカで就職するときにちょっとだけ役に立った。

 

2社目(博士1年):某日系電機メーカー(神奈川)

期間:2-3カ月くらい

給料:交通費と昼飯代のみ

内容:製品開発のお手伝い

 

D進して研究もそれなりに順調に進んでいたので、気分転換も兼ねて共同研究していた某日系大企業の研究開発部に行ってみることにした。共同研究先の偉そうな人にインターンに行きたいと言ってみたら、オフィシャルなサマーインターンのパスに乗ってくれと言われたので、いわゆる就活っぽいことを経験した(自己アピールとか)。

 

最初の2日間は全体のインターン生を集めて説明会みたいなのをやっていた。そこでいわゆる文系の就活生に出会ったんだけど、彼らの意識が高すぎて私の意識が飛びそうになった。

私としては、日本企業も人生経験として見ておくかーくらいな気持ちだったので、某大企業のインターンに来てる私すごいみたいな人達との温度差が半端なかった。今考えると学部生とD1はそりゃ意識の差があるよねと思う。

 

本題のインターンはとても楽しかった。メンターの人がどうしてこんな所で働いてるんだろって感じのすごい人(実は隣の研究室のD卒だった)で、すごく楽しいインターンだった。内容は一社目と同じような感じだったんだけど、D進して経験値も貯まっていたのでかなり生産的な進捗を出せた。

 

雰囲気としては日系企業のわりにユルユルで昼までにくれば良いみたいな感じだった。というか昼前まで誰も来なかった。朝が遅い分夜遅くまでやっている人が多くて、土日も家から仕事してるみたいな人も多かった。社員食堂が美味しかった。飲みものがタダじゃなくてガッカリした。

 

ちなみに職場環境はパーティションで区切られている人道的な環境だった。(場所によっては長机とかいう非人道的な職場環境が存在しているらしい)。個人スペースは1社目より狭かったけど、許せるレベルだった。IEEEの論文が読み放題じゃない企業が存在する事を初めて知った。

 

1社目と比較するとできる人のレベルはほぼ同じくらいかなという感じだったが、レベル差にかなりバラつきがある感じで、この辺が新卒一括採用の限界なのかなという感じはかなり受けた。

ちなみに男子トイレには開かずのトイレがあるらしく、居眠りしているおじさんが生息しているという噂だった。

 

最後にインターン報告会というやつがあったんだけど、たぶんこの会社には就職しないだろうなという気がしていたので、社員のレベルのバラつきが大きくてトイレで寝てる人がいるって全インターン生の前で発表したら、まさかの優秀発表賞みたいなやつを貰ってしまって、おいおいwってなった記憶がある。

あとは無給でインターンさせるのは非人道的だと感じた。 

 

3社目(博士2年):某台湾系半導体メーカー(台湾)

期間:2-3カ月くらい

給料:月3万5千台湾元(10万円ちょいくらい?)

内容:製品開発のお手伝い

 

この頃には卒業したら海外で就職できたらいいなーと思っていたので、研究室の先輩を頼ってアメリカとかヨーロッパとかにresumeを投げまくった。本当はアメリカに行ってみたかったんだけど、やはりビザ問題が存在するのでアメリカは難しいかなという感じだった。たまたま某台湾系メーカーのアメリカ支社に出したresumeが台湾本社にたどり着いたらしく、電話面接をすることになった。

電話面接はまさかのフランス人が出てきて、英語わかんねーと思いながら技術的な質問に適当に答えた。なぜか合格してしまったので台湾インターンに行くことなった。初めての海外生活&海外インターンなので、色々と驚きの連続だった。

ちなみに博士の学生じゃないとインターンのビザが取りにくいらしく、ここでもD進したメリットを感じた。 

 

空港(台北)に着くと運転手付きのベンツが待っていた。(ちなみにこれが人生初のベンツ乗車である)1時間半くらいかけて新竹にたどり着く。到着日は安いホテルを自分で予約したんだけど、そこがいわゆるラブホであることは着いてから知った。ベンツで新竹の安ラブホに一人降り立つのは今考えてもなかなか意識高い。

ちなみに台湾のラブホの壁は薄い。寝心地は悪くなかった。

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こんなものが置いてあったので、つい写真を撮ってしまった

 

( 本当は台湾の面白い話が大量にあるので書きたいんだけど、趣旨が変わってしまいそうなので次の機会に)

 

 仕事内容や流れはこれまでのインターンとほぼ同じだった。研究内容とかなり近いことをやったので、技術的にはまったく問題なかった。むしろシミュレーションとか論文を教えたりすることの方が多かったかもしれない。エンジニアのレベルとしては2社目の日系企業よりちょっと高いかなという感じだった。

ここでの一番の課題は英語だった。台湾企業とはいえメールも会議(台湾人だけのときは中国語だったけど)も英語だったので、(少なくとも私よりは)みんな英語が上手だった。初めての海外生活だったので、英語で議論したりメールを書いたりなどはここでかなり鍛えられたと思う。ここで上手くやれたことが、実際に海外で働こうと決意するきっかけになった。

 

職場環境は1社目(米系)と2社目(日系)の中間くらい。やはり待遇も米系->台湾->日系な感じだった。初任給も200ー250万台湾元(800ー900万円くらい?)くらいなイメージっぽかったので、エンジニアリングのレベルとしても待遇としても日本より良いと思った。ちなみに当然ではあるがIEEEの論文は読み放題だった。

 

台湾生活で一番つらかったのが、何を食べても中華料理だったところ。何を食べても油たっぷりなので、3カ月もすると体中が油っぽい感じですごく嫌な感じだった。あれだけ食べてるのに、細くてかわいいを維持している台湾人女性の生態が謎すぎる。

 

まとめ

  • インターンは研究のモチベーションを上げるのにも役に立つので行けるなら行った方が良い
  • 無給インターンは非人道的である
  • IEEEの論文が読み放題でない企業に行ってはいけない 

海外流出しようと思った理由

アメリカで就職した話は昔どこかで書いた気がするので、今日はどうしてわざわざ海外に住む気になったのかを書いてみようかと思います。

 

ちなみに私がアメリカで就職したストーリーはこれ 

upa-engineering.hatenablog.com

 

というわけで、私が海外に出ようと思った話をまとめてみる。

 

22歳(23歳かも)の夏

怠惰な学生生活を過ごしていた私は、大学院に入るまで特に海外を意識することもなく生きてきた。そもそもキラキラ系大学生を目指していた私が、わざわざ理系を選んだ理由は英語が圧倒的にできなかったから(英語の穴を数学と物理でどうにかするスタイルでした)である。そんな私がわざわざ海外に出ようと思うはずがない。

というわけで、特に海外については何も意識することなく大学院に進学したのが2011年4月である。たしか東日本大震災の影響で最初の1カ月は自宅待機的な感じだった。入学式も延期だか中止になったので、研究室から渡された教科書を自宅でひたすら勉強していた気がする。研究室の学生はみんな頭良さそうだし、TOEIC満点取れる人類がこの世に存在することを初めて知ったのもこの頃だった。

 

初めての国際学会

で、ふらーっと研究の真似事を始めて2-3カ月くらい経った頃だった。当時所属していた研究室は大型予算が当たって研究資金がオーバーフローしていたらしく、突然学生全員を国際学会(聴講)に送り込むという暴挙に出る。 というわけで、たいして研究もしていないのに京都でやっていたVLSI Symposiumというそれなりにレベルの高い国際学会に遊び(聴講)にいくことになった。

当時は研究を始めたばかりだったので、学会プログラムを読んでもまったくもって意味不明である。しかも英語。生まれて初めてあんなに英語を話す人類に遭遇した。Bang-bang PLLってドラゴンボールに出てきそうだねと同級生に話して笑われた記憶がある。

 

ここで少し当時の状況を説明しておくと、 当時はまだ日本企業がそれなりに半導体系の研究開発をして国際学会で発表していた時期で、日本からの論文も20%くらい(5件に1件くらい?)はあった気がする。 今思うと、瀕死の状態で毎晩レッドブル飲みながらどうにか生き残ってるみたいな感じだったのかなと思う。学生的にも電機メーカーは悪くない選択肢に見えたし、私も将来はあのどこかに就職するのかなと思っていた。例えばソニーに就職するとすごい!カッコイイ!高収入!ってなる時代だった。

 

日本企業の非人道的なプレゼン

国際学会なので、プレゼンはもちろん英語で質疑応答もある。MITのインド人は何話してるか意味不明だったけど頭良さそうだったし、台湾&韓国系の企業の人も問題なくこなしていた。

そんな中、熱気を帯びる学会会場でひときわ異彩を放っていたのが、日本企業から放たれる非人道的な英語プレゼン&質疑応答だった。原稿を読むことに集中してまったく前を見ない発表者、理解不能すぎる英語、沈黙の質疑応答。。

 

日本企業の40歳くらいのおじさん達が、幼稚園児みたいに扱われているのを見るのはなかなか厳しいものがあったし、これが私が将来行きつく姿なんだと思って絶望した。

 

まったくの素人学生から見ても日本企業と台湾・韓国企業のエンジニアに圧倒的なレベル差があることは明白だったし、ここが海外に出ることを意識しはじめた原体験でした。

 

その後

結局のところ、めぼしい日本企業は台湾・韓国企業との競争に負けてほぼ消滅してしまったので、良くも悪くも海外で就職することになってしまいました。

英語ができなかった私にモチベーションを与えてくれたあの非人道的なプレゼンにはすごく感謝しています。全ての南武線ユーザーが幸せでありますように!

 

アメリカのお米

日本人がアメリカで暮らすのに(精神安定上)必要なものNo.1といえば、、お米!

というわけで、私なりのアメリカのお米事情をまとめようと思います。

参考: 日本のお米の標準価格は約2000円/5kgらしいです。約$4/kg

 

1. Nishiki

よく日系のスーパーで売ってるやつ。だいたい$20-25/15LBS。約$3.7/kg

評価: すごくおいしい。日本で食べてたお米との違いがわからない。とりあえずこれ買っとけば問題ない気がする。日本の標準的なお米と同じくらいのお値段。

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nishiki

2. Tamanishiki

日系スーパーで売ってる高級なお米。$35/15LBS。約$5.1/kg

評価: すごくおいしい。私の舌ではNishikiとの違いがわからない。

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tamanishiki

3. Costco Calrose

コストコで売ってるカルロースとかいう謎米。勇気がある人だけが買える。我が家の常用米。$30/50LBS。$1.3/kg

評価: 最初の一口はちょっと違うかなと思うけど、普通においしい。日本米ほどモチモチしてない気がする。パンダエクスプレスのお米よりは美味しいという噂。25kgくらいあるので保存場所に困る。

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costco

まとめ

  • コストコの謎米は意外に食べれる
  • 日系のちゃんとしたお米はコストコ米の約3倍のお値段
  • Nishikiは日本の標準的なお米と同じくらいのお値段
  • 安い舌を持っているならコストコ米で十分

アメリカ確定申告メモ for 2019

毎年やってくる憂鬱なイベントといえば確定申告。アメリカに住んでる以上これだけは避けて通れません。ということで、私は毎年Turbo taxを使ってアメリカの確定申告をしています。ここでは、私が確定申告をしていてハマった部分についてメモしておこうと思います。

注意1: ここに書いてあることは私の独自リサーチ&考察なので、参考にする場合は自分で確認することをおすすめします。内容の正確性は保証できません。

注意2: Turbo taxのオンライン版を使っています

https://turbotax.intuit.com/

 

日本の所得を記入する方法

初期画面だと海外所得を記入する欄がないので、少し特殊な操作が必要です。

まず右上にあるSearchをクリックして

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ポップアップしてきたところに'foreign income'と入力すると'Go to Foreign Income'というやつが出てきます。あとはここで日本の所得を入力するだけです。

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'Stocks, Mutual Funds, Bonds, Other'でRSUとかESPP関係の情報を入力すると最後に意味が分からないことを聞いてくる

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疑問点

  • RSUについて: Turbo taxが計算してくるW-2 dispositionとW-2に書いてある額が合わない

 

わかったこと&やるべきこと

  • W-2にかいてある額 (ex. 10000.00 RSU PROG)は2019年にvestされた額を全部足した額。その年に売ったとか売ってないとかは関係ない。
  • Turbo taxが計算してくるW-2 dispositionは2019年に売った額(たぶん2019年にvestされて2019年に売った額だけ)。
  • Turbo taxの質問は'Make sure you check your W-2 to determine if your amounts were included in your box 1 wages.'なので、2019年に売った額がW2に含まれているかを聞いている。この額はW2のRSU PROGに含まれている(ハズ)のでYesを選ぶべき。一応自分で再計算したほうが安全かも。

 

育休期間中の給料はカリフォルニア州税からは控除できるっぽい。でもどうやってやるの?

これは、会社によってお金の出どころが違うみたいなので、課税対象かどうかは自分で調べてください。たぶん会社のHRに聞くと教えてくれると思います。とりあえず記入方法だけまとめておきます。

まずトップページのJob (W-2)というところで、W-2の内容を記入していくとこんな質問をしてくるので、'Paid family leave'にチェックをつけます。するとカリフォルニア州税のrefund額が大変なことになるんですが、これはあとで修正するので気にしなくていいです。

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ちなみにFederal(連邦税)の部分では具体的な金額を入力することはありません。

Federalの記入が終わると次は'State'に行きます。ここで具体的な金額を入力します。

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いつも通りポチポチやっていくと、こんな画面が出てきます。ここに育休関係の所得を記入すれば控除が得られます。

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アナログ回路設計の教科書(英語の本)

趣味でアナログ回路設計の勉強をしているので、せっかくなので今までに読んだ教科書の感想&おすすめリストをまとめておこうかと思います。思ったより長くなりそうなので日本語の本と英語の本で記事を分けました。

 

Analog Integrated Circuit Design (Wiley Desktop Editions)

Analog Integrated Circuit Design (Wiley Desktop Editions)

 

 私のおすすめ度No.1の本です!この本は本当に良いよ!ラザビ本は回路の分析がメインだったんですが、この本はどうやって回路設計すれば良いかが分かりやすく書いてあります。数式も簡単かつ最低限にまとまっているので、アナログ回路初心者の人でも気合があれば全部読めると思います。特に、周波数応答&フィードバックとオペアンプの設計の章はかなり良いです。

  • ポールとゼロの数学的な説明と物理的な意味が分かりやすく書いてある
  • フィードバックをかけたときの安定性の議論がラザビ本より親切に書いてある
  • オペアンプの設計指針が超親切に書いてある(電流を減らしたいとかノイズを減らしたいとか)

個人的には周波数応答とフィードバックの安定性がアナログ回路の1つの山場だと思っているんですが、この本はその辺りを分かりやすくカバーしています。

ちなみに、私はこの本が好きすぎて20回以上読みました。誤植が多すぎるのがやや気になるんですが、誤植リストが作者のwebサイトにまとまっているので問題ないはずです。

 

Design of Analog CMOS Integrated Circuits (Irwin Electronics & Computer Enginering) (English Edition)

Design of Analog CMOS Integrated Circuits (Irwin Electronics & Computer Enginering) (English Edition)

 

 最新のラザビ本(第2版)。日本語に翻訳されているのは第1版なので、最新のやつを読みたいなら英語で読むしかないです(2019年7月現在)。アメリカのアマゾンだとなぜかインドバージョン(紙の質がちょっとだけ悪い)が安く買えます。

肝心の内容はというと、70%くらいは第1版と同じです。第2版で良くなった点は

  • ナノメートルプロセス(ex. 40nm)でのアナログ回路設計が追加された。wire-line系の高速な回路とかADCを設計するときに役に立つかもしれません
  • フィードバック&安定性の部分が増量&だいぶ分かりやすくなった
  • 回路の最適化の方法について新しい記述が増えた(第1版は回路分析がほとんどだった)
  • 細かいところが改善(低電圧電流源のバイアス回路とか)

もともと第1版も良い教科書だったのですが、第2版はより完成度が上がっていて何度でも読み返すべき教科書だと思います。そんなに高い教科書でもないので、とりあえず買いです。

 

Analysis and Design of Analog Integrated Circuits

Analysis and Design of Analog Integrated Circuits

 

アナログ界隈では有名なPaul Grayの本。アナログ回路やるなら読んでおけと言われる超有名本です。最新のやつは第5版なんですけど、日本のアマゾンで見つからなかったのでテキトーなやつを貼っておきました。アメリカのアマゾンだと第5版のペーパーバックが28ドルで買えます(2019/8/25現在)。

実際の中身なんですけど、私的には微妙でした。理由を簡単に述べると

  • 内容が古い&他の教科書でカバーされてる内容が多い
  • 例題の内容が古い
  • バイポーラが多い
  • 内容&記述がすごく親切かというと微妙かも

という感じでした。ちなみにBandgap reference周りはとても良くまとまっているので読んでみる価値はあると思います。全体的にはあまり好きな感じではなかったので、何か分からないことがあったときに一応確認してみるくらいの用途として使っています。

個人的には微妙な感じだったんですが、世間一般的には評価が高いようなので他の人には合うかもしれません。まあ28ドルならとりあえず買って一度読んでみるのをおすすめします。

 

CMOS Analog Circuit Design (The Oxford Series in Electrical and Computer Engineering)

CMOS Analog Circuit Design (The Oxford Series in Electrical and Computer Engineering)

  • 作者: Phillip E. Allen,Douglas R. Holberg
  • 出版社/メーカー: Oxford Univ Pr
  • 発売日: 2011/08/05
  • メディア: ハードカバー
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ちょっとマイナーな感じがしますが、この本もまあまあ良い本だと思います。特に、オペアンプを自分で設計するときに役に立つ気がします。特に、オペアンプの最適化設計について他の本より詳しく書いてあるので、ほとんどの場合はこの本に書いてあるように設計するだけでそれなりのオペアンプを設計できるはずです。

個人的には、イマイチ物語性というか読んでいて面白い本ではないので、必要なときに参照するという使い方がメインです。オペアンプのプロになりたい人は本気出して読むと良いかもしれません。

 

Analog Design Essentials (The Springer International Series in Engineering and Computer Science)

Analog Design Essentials (The Springer International Series in Engineering and Computer Science)

 

電子回路大好きおじいさん感が出ているSansen先生の本です。中身はいわゆるアナログ回路の教科書にありがちなアンプから始まって細かい要素回路に続く構成です。この教科書の面白いところは、まさかの全ページがスライドベースなところです。図が大量に出てくるかわりに文章は少なめです。

肝心の内容ですが、使える回路技術の例は大量に示されていますが、本質的な説明は結構テキトーな感じがします。どちらかというと学会のチュートリアル的な感じでしょうか(スライドベースなのでたぶん何かのチュートリアルを貼り付けた感じなんでしょう)。この教科書だけを読んでもイマイチ理解しきれない気がします。ただし、リファレンスがきちんと貼ってあるので、原著論文まで自分で読みにいけば問題ないとは言えます。個人的には、この本も辞書的な使い方がメインです。必要になったときに読んでみて使えそうなものがあれば詳しく調べるという感じです。