アナログ回路設計の教科書(日本語の本)
趣味でアナログ回路設計の勉強をしているので、せっかくなので今までに読んだ教科書の感想&おすすめリストをまとめておこうかと思います。思ったより長くなりそうなので日本語の本と英語の本で記事を分けました。
LSI設計のためのCMOSアナログ回路入門 (半導体シリーズ)
- 作者: 谷口研二
- 出版社/メーカー: CQ出版
- 発売日: 2004/12/01
- メディア: 単行本
- クリック: 32回
- この商品を含むブログ (4件) を見る
とりあえず初心者ならこの本を何回か読み込むのが良いと思います。 アナログ回路って訳がわからない数式がいっぱい出てきてすぐ辞めたくなるんだけど、この本は回路の動作イメージをできるだけ簡単に説明しています。
私も最初はMOSトランジスタのことを全然分かってなかったんだけど、この本を読んだらアンプの動作とかオペアンプの基礎が理解できるようになりました。とりあえずアナログ回路を始めたい人におすすめの本です。
ラザビ本その1。英語版(原著)だと1冊なんですが、なぜか日本語版だと2冊(基礎編と応用編)に分かれています。ちなみに英語版は第2版が出たので、(英語でいいなら)そっちを買ったほうが良いと思います。
他のアナログ回路の本に比べると、結構数式が多くて解析的な感じ(いわゆる教科書的)がします。とりあえずアナログ回路を真面目にやりたいなら一通り理解しておくのが良いと思います。わりと必修な感じです。
この本を読むと代表的なアナログ回路の動作や限界が分かるようになる気がします。ただしオペアンプを使った応用とかはあまり書いてないので、オペアンプを手っ取り早く使いたい場合は他の本を読んだほうが早いと思います。この本はオペアンプの使い方ではなく作り方が書いてあります。
数式を全部覚える必要はないと思うんですが、例題とか教科書の数式の導出を自分で解き直してみると、すごく頭の体操になります。基礎編の内容&導出は全部丸暗記するくらいでもいいと思います。私は頭が悪かったので10回以上読み返しました。
VCOとPLLはラザビ先生の趣味でややマニアックなので飛ばしてもいいかと思います。他の章は基礎編と同じくやりこみましょう。特に、最後の方のレイアウトとパッケージの話はよく理解しておくと良いと思います。自分でレイアウトしたりPCBを設計したりするときに役に立つと思います。
CMOSアナログIC回路の実務設計―PWM電源コントローラの開発に学ぶ (半導体シリーズ)
- 作者: 吉田晴彦
- 出版社/メーカー: CQ出版
- 発売日: 2010/02/01
- メディア: 単行本
- 購入: 1人 クリック: 10回
- この商品を含むブログ (4件) を見る
回路設計を勉強するというより、どういう風にプロジェクトを進めるかの参考になる本でした。テストとかスペックの決め方など割と実務的なことが書いてあります。こういう実務的な内容を学べる本はあまり多くないので、読む価値はあったと思います。回路設計自体は他の教科書に書いてある内容(ラザビ本など)なので、流し読みする感じでした。
回路設計の常識が書いてある本。私が最初に読んだ感想としては、まあそうだよねという感じだったので「常識」が書いてあるんだと思います。個人的にはちょっと物足りない感じだったんですが、回路設計を始めたばかりの人には良い本だと思います。ちなみにESDとかインピーダンスマッチングのところはやや言葉足らずな感じがする(薄い本なのでしょうがない)ので、他の本で勉強したほうがよいと思います。
この本はデジタルの本なんですが、一般教養として知っておくと良いことがたくさん書いてあります。アナログ回路をやりたくてもデジタル回路を使うことが結構あるので、 知っていて損ではないと思います。
レベル的には基礎よりな感じだと思うので、日本語だしサクッと読んでおくと良いかもしれません。私は困ったときに辞書的に(配線遅延のモデルを確認したり&デジタル回路のリーク電流を考えたりする時など)使っています。
基礎編と同じです。どうして2冊に分かれているのかよくわかりません。(原著は1冊) 日本語だし、とりあえず1回読んで見る価値はあると思います。
わりと最新のラザビ本。無線関係をやりたいならこの本はかなり良いです!BluetoothとかWifiのチップを自作してみたい人におすすめです。無線通信の基礎から無線トランシーバーのアーキテクチャまでカバーされています。内容はなかなかヘビーですが、基礎編の内容は無線関係をやりたいならカバーしておくべきな気がします。電気系の学部4年生くらいなら読めるレベルだと思います。
応用編は無線トランシーバーの各ブロックについて詳しく書いてあります。私は何度か一通り読んだけど、特に必要ないなら教養程度に知っておけば良いかなという気がします。 難易度的にはなかなかヘビーな感じです。まあ日本語なので1度読んでみることをおすすめします。
無線関係の回路設計についてわりと良くまとまっています。ただし、上で紹介したラザビ先生のRFマイクロエレクトロニクスを読んでいれば、わざわざこの本を読む必要もないかなと思います。
基礎編と同じ
アメリカのピザ
前回はアメリカのビザの話を書いたんですが、なぜかピザの話をしろと色々な人から言われてしまったので、今回はアメリカのピザの話を書こうかと思います。
アメリカのピザといえば、第2次世界大戦でイタリアの(おいしい)ピザを食べた米兵がアメリカでも食べたくなって広まったという話が有名ですよね。やっぱりピザといえばイタリア。昔イタリアでふらっと立ち寄ったレストランで食べたピザは今までの人生で一番美味しかったです。もしイタリアに行く予定がある人は、イタリアで本場のピザを食べるのをぜひオススメします。
というわけでアメリカのピザについて書こうと思うんですが、単刀直入に言うとアメリカのピザは美味しくないです!油っこくて大味なアメリカンスタイルピザばっかりです。日本のピザーラとかのクオリティを期待しているとひどい目にあうので、間違ってもアメリカ企業の社食などでピザを頼んではいけません。文句ばっかり言っていてもアメリカのピザクオリティは変わらないので、ここでは過去に食べた(まあまあ)美味しかったピザについて紹介してみようと思います。
コストコのピザ(フードコート)
私が考える1位はまさかのコストコピザ。コストコの入り口のところにあるフードコートで売ってるやつです。
- チーズ
- ペペローニ
- ミックス
の3種類が選べて、私はいつもミックスを選んでいます。ここのピザはアメリカのピザにしては油っこくなくて、冷たくなっても美味しく食べれます。しかも、ホールで10ドルちょいというお買い得価格です。ホールで買えば1人ならこれだけで土日をやり過ごせるし、パーティーなどにも使えるんじゃないかと思います。
ちなみに焼き立てのチーズ味ピザもかなり美味しいので、1回試してみるといいかもしれません。
Papa Johns(わりと有名なピザチェーン店)
次のピザはPapa Johnsです。ここのピザが美味しいかと言われると微妙な感じもしますが、とりあえず私は食べれます。家に食料がなくなった&家から出たくない時に注文しています。ここのピザを食べるときはカロリー摂取したい以外の感情を持っていないので、味の記憶があやふやなんですが美味しかった気がします。
Papa Johnsでピザを注文するときは、必ずPapa Johns couponでググってから注文しましょう。運が良ければ50%オフとか出てきたりします。
そのへんのピザ屋
値段に比例。高いピザはおいしい。安いピザはまずい。
まとめ
美味しいピザを食べたいならイタリアに行こう
アメリカのピザはまずい
コストコのピザはおいしい
Papa Johnsは許せる
Oビザを取ってアメリカに住む
今回は、私が日本の大学を卒業してからアメリカの会社に就職するにあたってお世話になったO-1ビザというやつについて簡単にまとめておこうと思います。私の知る限り日本の新卒学生がOビザをとる流れをまとめたブログは見たことがない(日本語では)ので、きっと誰かの役に立つんじゃないかと思います。ちなみにほぼ100%私の経験(2016年)と記憶に基づいているので、正確な情報かどうかは怪しいかもしれません。
O-1ビザとは
細かいことはO-1ビザでググってみてください。例えばこんなのがヒットしました。
http://www.swlgpc.com/jp/ourservices/nonimmigrantvisas/o1/
とりあえず、科学や教育、事業、スポーツの分野における卓越した能力があればいいらしいです。たぶんイチローとか大谷翔平とかがスポーツ枠なんだと思います。最近だと、ピースの綾部っていう人が芸人でOビザ取ってたと思います。
ここで強調しておきたいのは、科学枠は思っている以上にハードルが高くなくて普通に学生をやっていれば条件をパスできる可能性が結構あるということです。実際に私の大学の知り合いはだいたいOビザでアメリカ企業に就職していました。
H-1BとO-1ビザの違い
- H-1Bは抽選がある。2016年は当選率30%くらいだった気がします。
- O-1は抽選がない。
- O-1の方が審査がややめんどくさい。
- O-1の方がさっさとグリーンカードが取れる
細かいメリット・デメリットは色々あるんですけど、とりあえずこれだけ知ってればいいでしょう。取れるならO-1ビザの方が確実だし良いと思います。私の場合は会社がH-1BとO-1の両方をサポートしてくれたので、内定をもらえたら両方サポートしてって交渉してみるといいと思います。ちなみに私はH-1Bの抽選に落ちました。
O-1ビザの基準
どれくらい卓越した(?)業績があればO-1ビザ取れるかというのは弁護士次第っぽいんですが、私が知っている情報をまとめると
- 博士
- 論文何本か
- 被引用数100件
- 国際学会とかで受賞経験
- 偉い人の推薦書
あたりがあれば問題ないみたいです。私の場合はこんな感じでした。
- 博士(工学)
- 論文誌3本(主著のみ)
- 国際学会6件(主著のみ)
- 特許4件(主著のみ)
- 招待講演・セミナー8件
- 被引用数40件
- 受賞9件(小さいやつも含めて書けるだけ書きました)
- 世界中の色々な人から推薦書9本(そのへんのIEEEフェローとかに頼みました)
被引用数はある程度増えるのに時間がかかるので、それなりの理由(学生で論文書いてから時間が経ってないとか)を書けばOKと言われました。一応こんな感じでサクッとビザが取れたので、真面目に学生をやっていれば問題なさそうな感じでした。
Oビザ申請の流れ
書類準備に3ヶ月(推薦書集めを含む)
審査1-2ヶ月
3月くらいから書類の準備をはじめて8月末くらいにビザが出た気がします。
まとめ
真面目に学生やってたならOビザおすすめです
タピオカのみたい
わたしがアメリカで就職した話
最近アメリカのビザが取りにくいとか就職が大変とかいう情報が多い気がするので、私が2016年に日本の大学を卒業してアメリカの会社に新卒就職&ビザを取った話をしようかと思います。誰かの参考になったらすごく嬉しいです。
わたし
@upa_engineeringでツイッターやってる(リンクの貼り方がわからない)
関東の大学院卒(理系)
電気電子&情報系の簡単な研究をやってました。英語できなかった(今もできない)
タピオカのみたい
学生時代(前半)
まあまあ意識高かったので色々な企業にインターンに行った。3社くらいインターンに行ったんだけど、どこもとっても楽しかったです。インターンの話はまた気が向いたら書こうかと思います。
卒業の一年前(~2015年3月)
そろそろ就職とか考えないといけないって気づく。先輩(留学生込み)とか見てると、日本で就職する人と海外で就職する人がだいたい半々くらいだったので、海外で就職するのもかっこいいなと思った。(お給料高そうだし)
仲が良かった先輩がアメリカで就職したので色々と話を聞きにいくことに。ビザについても色々聞いたけど、身の回りではビザが取れなくて就職できなかったという話を聞かなかったので、まあどうにかなるだろうという気になった。(今は状況が違うかもしれないです)
夏くらいまで(~2015年5月)
海外企業に応募するにしても早すぎる気がしたので、とりあえず日本企業に応募したり話を聞きに行ったりした。何社か見学に行ったけど、どこもアットホームな職場っぽくて居心地は良さそうだった。
なぜか日本企業にはモテたんだけど、日本企業に就職するのは難易度低い気がした&将来が心配だったので、わざわざ新卒で日本企業に就職しなくてもいいかなって思った。やっぱり将来のことを考えると海外で働いた経験とかあったほうがいいかなと思って、日本企業は全部お断りした。
秋くらい(~2015年12月)
しばらく研究ごっこで忙しかったので夏の間は就活はおやすみ。9月くらいから本格的に就職先を探し始めた。色々と知り合いのツテを辿って色々な会社に履歴書を送った。何社かは興味があるみたいで返事をくれた&電話面接をやった。最初の方の電話面接は英語ができない&準備不足すぎてボコボコにされたけど、数をこなすうちに慣れてきた。たまたま年明けにアメリカに行く機会があったので、そこでオンサイトの面接をすることになった。
冬くらい(~2016年2月)
わざわざアメリカまで来てオンサイトの面接を何社か受けた。最初はやっぱりボコボコにされたけど最後の方は結構できた気がする。なぜか最初に受けてボコボコにされた企業(実は第一志望だった)からオファーが出たので、そこの会社(今の会社)に行くことにした。お給料もまあ悪くない感じだったので(今考えるともっと交渉しておけば良かったかも!)結構ハッピーだった。
卒業論文的なやつをササッと書いて大学卒業を決めた!
ビザとの戦いが始まる(~2016年4月)
内定をくれた企業の人事から色々と連絡が来て、H1-BビザとO-1ビザというやつをサポートしてもらえることになった。H1-Bビザは抽選&当選率30%くらいだったりするので、O-1ビザも並行して出すことになった。大学の先輩達はだいたいO-1ビザだったので、そんなものなのかなって思った。
色々と苦労して書類を集めたH1-Bビザが抽選落ちする。悲しかった。
Oビザとの戦い(~2016年8月)
H1-Bビザの抽選に落ちてしまったので、O-1ビザの書類を作る。書類作りがすごくめんどくさかった&推薦書を偉い人に書いてもらったりした。最終的に出願書類が300ページくらいになった。卒業論文より大変だった。
ちなみに大学卒業後はゆるふわ系の期間労働をして食いつないだ。ゆるふわ系の研究って楽しそうだなってちょっと思った。
就職まで(~2016年10月)
大使館に行って面接を受けたらビザが許可された。これでやっとアメリカで働けることに。会社に連絡したら、色々と入社準備の情報が送られてきた。アメリカまでの旅費とか最初2ヶ月の住居&レンタカーをタダで支給してくれて良い会社だなって思った。せっかくだしビジネスクラスにしてよってゴネたら、ビジネスクラスの飛行機を予約してくれた。良い会社だなって思った。
就職後(~今まで)
最初の半年は英語がまったく聞き取れなくて毎日つらかったけど、半年過ぎたあたりから少しわかるようになってきた。仕事内容はほぼ問題なかったのだけが救いだった。最初は10歳以上年上のエンジニアに指示を出したりするのがすごく難しかったけど、ある程度信頼関係が築けてからは自信を持ってやれてる気がする。
タピオカにめざめる。
まとめ
Oビザは枠制限ないから狙い目らしい
理系の大学出てたらアメリカのビザはわりとどうにかなるかも(今はどうかわからない)
知り合いで海外就職した人がいたら色々話を聞いてみよう
タピオカのみたい