うぱ@エンジニアの日記

キラキラアメリカ生活

3社ほどインターンに行ってみた話

最近キラキラエンジニアを求められているみたいなので、たまには役に立つことを書いてみようかと思います。

 

キラキラエンジニアになる近道はやっぱりキラキラ学生生活からのキラキラインターン!というわけで、私が学生時代にやってみたインターンの思い出をまとめてみようかと思います。少し昔の話(2010年代前半)なのですが、誰かの役に立つと嬉しいです。特に産業界に近い研究をしている学生には参考になると思います。

 

そもそもインターンとは?

学生が企業で行う職業体験的なやつ。正式には「インターンシップ」って名前だった気がする。 

とりあえず、ここでは理系の学生が研究に関連したことを企業で3カ月とか半年くらいやるやつをインターンと定義しておきます。参加したことはないんですが、文系向けの1DAYインターンみたいな合コンイベントはインターンと呼んではいけません。

 

1社目(修士1年):某外資半導体メーカー(東京)

期間:3カ月くらい

給料:たしか月10-15万円くらい貰えた気がする

内容:製品開発のお手伝い

 

大学院に入って研究の真似事をしていたら、研究室の先生から某外資系企業(東京オフィス)からインターンの募集来てるんだけど、行きたい人いる?と言われて「行きたいです!」って言ったら面接もなし(電話面接はあったかもしれない。記憶がない)に行けることになってしまった事案。

行きたいと言った時点では会社の名前もほぼ知らなくて、「へー外資系かー。かっこよさそう」というそれだけの基準で決めてしまったんですが、実は私の分野ではトップレベルの技術力をもつスーパー企業だったのを知ったのはインターンを始めてからでした。

広い括りでいう同じ研究分野だったんだけど、研究を始めたばっかりでほぼ初心者だった私がいきなりとんでもないところに入ってしまった。草野球プレーヤーがなぜかプロ野球のキャンプに紛れ込んでしまったくらいの無理ゲーだった。

 

オフィス自体は外資系ということもあってまあまあ綺麗だった。(今思うと、よくある普通のオフィスである。一部の日系メーカーのオフィスが古すぎるのが悪い。)L字型の机&パーティションで区切られていて、作業スペース的にもプライバシー的にも仕事に集中しやすい感じだった記憶がある。(今思うと、これがエンジニアの最低限度の職場環境である。長机とか非人道的すぎるよね。)あと、IEEEの論文が読み放題だった。

ちなみにタダで飲み物が飲めて最高だなと思ったくらい当時は社会を知らなかった。

  

与えられた課題は、既存の製品設計の問題点を分析して解決策or改良案を提案すること。

最初の2週間はほぼ勉強&理解することに費やして、残りの2カ月くらいで仕上げるみたいな感じだった。ほぼ初心者から始めたので、最初の2週間は毎日がつらかった。

毎日レッドブル飲みながら頑張ってみると1カ月くらいで勘が掴めてきて、最終的には(自分としては)それなりに形になってきた記憶がある。当初の課題自体は2カ月くらいで終わって、最後に新しいトポロジーを提案することができた。

これが良いアイディアかどうかは別にして、3カ月くらい本気でやるとそれなりに新しいことができるんだなと理解できたのはとても良かった。この経験はこの後研究をやる上でとても役に立った気がする。

 

このインターンで学んだことを一つだけ挙げるとすると博士を取るメリットを学べたことかな。それまでD進とか考えたことなかったんだけど、研究とか博士を取ることが就職とか初任給に効いてくることを学んだ。例えば、

  • ほぼ新卒採用していない会社(外資系だと多いのかも)でも、博士だと新卒で潜り込めたりする
  • IEEEとかのトップジャーナルとかトップカンファレンスに通してる学生は企業にも結構認知される
  • 博士を取って入社すると初任給1000万円前後という噂(これは2010年代の話なので、今はもっと高いのかもしれません)

それまで博士取っても就職が困るよねって思っていたので、D進した方が就職が有利になるということを知れたのはとても有意義だったと思います。あと、メンターの方が博士持ちで色々と博士を取ることのメリットを教えてくれたので、研究に対するモチベーションもかなり上がった良いインターンだった。

ちなみにアメリカ系の企業ということもあって、アメリカで就職するときにちょっとだけ役に立った。

 

2社目(博士1年):某日系電機メーカー(神奈川)

期間:2-3カ月くらい

給料:交通費と昼飯代のみ

内容:製品開発のお手伝い

 

D進して研究もそれなりに順調に進んでいたので、気分転換も兼ねて共同研究していた某日系大企業の研究開発部に行ってみることにした。共同研究先の偉そうな人にインターンに行きたいと言ってみたら、オフィシャルなサマーインターンのパスに乗ってくれと言われたので、いわゆる就活っぽいことを経験した(自己アピールとか)。

 

最初の2日間は全体のインターン生を集めて説明会みたいなのをやっていた。そこでいわゆる文系の就活生に出会ったんだけど、彼らの意識が高すぎて私の意識が飛びそうになった。

私としては、日本企業も人生経験として見ておくかーくらいな気持ちだったので、某大企業のインターンに来てる私すごいみたいな人達との温度差が半端なかった。今考えると学部生とD1はそりゃ意識の差があるよねと思う。

 

本題のインターンはとても楽しかった。メンターの人がどうしてこんな所で働いてるんだろって感じのすごい人(実は隣の研究室のD卒だった)で、すごく楽しいインターンだった。内容は一社目と同じような感じだったんだけど、D進して経験値も貯まっていたのでかなり生産的な進捗を出せた。

 

雰囲気としては日系企業のわりにユルユルで昼までにくれば良いみたいな感じだった。というか昼前まで誰も来なかった。朝が遅い分夜遅くまでやっている人が多くて、土日も家から仕事してるみたいな人も多かった。社員食堂が美味しかった。飲みものがタダじゃなくてガッカリした。

 

ちなみに職場環境はパーティションで区切られている人道的な環境だった。(場所によっては長机とかいう非人道的な職場環境が存在しているらしい)。個人スペースは1社目より狭かったけど、許せるレベルだった。IEEEの論文が読み放題じゃない企業が存在する事を初めて知った。

 

1社目と比較するとできる人のレベルはほぼ同じくらいかなという感じだったが、レベル差にかなりバラつきがある感じで、この辺が新卒一括採用の限界なのかなという感じはかなり受けた。

ちなみに男子トイレには開かずのトイレがあるらしく、居眠りしているおじさんが生息しているという噂だった。

 

最後にインターン報告会というやつがあったんだけど、たぶんこの会社には就職しないだろうなという気がしていたので、社員のレベルのバラつきが大きくてトイレで寝てる人がいるって全インターン生の前で発表したら、まさかの優秀発表賞みたいなやつを貰ってしまって、おいおいwってなった記憶がある。

あとは無給でインターンさせるのは非人道的だと感じた。 

 

3社目(博士2年):某台湾系半導体メーカー(台湾)

期間:2-3カ月くらい

給料:月3万5千台湾元(10万円ちょいくらい?)

内容:製品開発のお手伝い

 

この頃には卒業したら海外で就職できたらいいなーと思っていたので、研究室の先輩を頼ってアメリカとかヨーロッパとかにresumeを投げまくった。本当はアメリカに行ってみたかったんだけど、やはりビザ問題が存在するのでアメリカは難しいかなという感じだった。たまたま某台湾系メーカーのアメリカ支社に出したresumeが台湾本社にたどり着いたらしく、電話面接をすることになった。

電話面接はまさかのフランス人が出てきて、英語わかんねーと思いながら技術的な質問に適当に答えた。なぜか合格してしまったので台湾インターンに行くことなった。初めての海外生活&海外インターンなので、色々と驚きの連続だった。

ちなみに博士の学生じゃないとインターンのビザが取りにくいらしく、ここでもD進したメリットを感じた。 

 

空港(台北)に着くと運転手付きのベンツが待っていた。(ちなみにこれが人生初のベンツ乗車である)1時間半くらいかけて新竹にたどり着く。到着日は安いホテルを自分で予約したんだけど、そこがいわゆるラブホであることは着いてから知った。ベンツで新竹の安ラブホに一人降り立つのは今考えてもなかなか意識高い。

ちなみに台湾のラブホの壁は薄い。寝心地は悪くなかった。

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こんなものが置いてあったので、つい写真を撮ってしまった

 

( 本当は台湾の面白い話が大量にあるので書きたいんだけど、趣旨が変わってしまいそうなので次の機会に)

 

 仕事内容や流れはこれまでのインターンとほぼ同じだった。研究内容とかなり近いことをやったので、技術的にはまったく問題なかった。むしろシミュレーションとか論文を教えたりすることの方が多かったかもしれない。エンジニアのレベルとしては2社目の日系企業よりちょっと高いかなという感じだった。

ここでの一番の課題は英語だった。台湾企業とはいえメールも会議(台湾人だけのときは中国語だったけど)も英語だったので、(少なくとも私よりは)みんな英語が上手だった。初めての海外生活だったので、英語で議論したりメールを書いたりなどはここでかなり鍛えられたと思う。ここで上手くやれたことが、実際に海外で働こうと決意するきっかけになった。

 

職場環境は1社目(米系)と2社目(日系)の中間くらい。やはり待遇も米系->台湾->日系な感じだった。初任給も200ー250万台湾元(800ー900万円くらい?)くらいなイメージっぽかったので、エンジニアリングのレベルとしても待遇としても日本より良いと思った。ちなみに当然ではあるがIEEEの論文は読み放題だった。

 

台湾生活で一番つらかったのが、何を食べても中華料理だったところ。何を食べても油たっぷりなので、3カ月もすると体中が油っぽい感じですごく嫌な感じだった。あれだけ食べてるのに、細くてかわいいを維持している台湾人女性の生態が謎すぎる。

 

まとめ

  • インターンは研究のモチベーションを上げるのにも役に立つので行けるなら行った方が良い
  • 無給インターンは非人道的である
  • IEEEの論文が読み放題でない企業に行ってはいけない